介護保険制度と国民の乖離~マストとニーズ~
最近、介護保険制度的な所とお客様やご家族のニーズに乖離をすごく感じます。
例えば、訪問介護で言えば国は「生活介護(掃除や買い物支援等)」を無くしたいようで、「身体介護(入浴、ヘルパーと一緒に何かする事等)」を重視しています。掃除や買い物等は介護のプロじゃなくても出来るというところもあると思います。簡単に言えば生活介護に関しては家族に手伝ってもらったり、お手伝いさんを雇えばいいじゃん!と国は考えていると私個人は考えています。
第一項の保険給付の内容及び水準は、被保険者が要介護状態となった場合においても、可能な限り、その居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように配慮されなければならない。・・・介護保険法第2条4項
と介護保険の目的は、なるべく住み慣れた地域であるご自宅で自立して生活できることを目標としています。そのことに関しては、私自身も賛成です。大体の高齢者が望んでいる事ですから。
ですが、掃除や買い物支援等の介護のプロじゃないお手伝いさんレベルの需要が多いことも事実です。だって、家族が近くにおらず独居生活されている方も多いです。それに、基本的にお手伝いさんを雇えるほど年金の高い方は私の住んでいる南さつま市にはほとんどいません。
また、デイサービスやデイケア等の通所系サービスbの需要よりも、今後は特養や施設サービスの需要の方がさらに伸びる気がします。少子高齢化により高齢者の型の独居率が多くり続ける事、私の祖父母世代の考え方より今の私の父母世代の考えは、自宅で住めなくなったら施設に入ることが当たり前と思う人の割合が高い事等が背景にあげられます。
もし、国が本当に自宅での生活をサポートしたければ、要介護度を身体や精神だけでなくその個人個人の環境も踏まえて査定するべきだと思います。
例えば独居で要介護1のサービスしか使えないから、有料老人ホームやグループホーム、老人保健施設に入居される方も少なくありません。これが、ADL(日常生活動作レベル)や認知面が要介護1レベルだったとしても、要介護3レベルの在宅サービスを遣えるとしたら、自宅で過ごさる可能性も大いにあります。
本当に介護保険サービスで在宅の生活を支えたいのであれば、制度的にもっと柔軟な対応がさらに必要になると私自身は考えています。そこに、家の掃除や買い物支援、庭の草むしりや病院受診の送迎・付き添い等の支援はマストです。
また、施設サービスに需要が傾くのであれば、ご自宅に外出や外泊などできるように取り組む加算等をさらに強化して、特養でもご自宅に帰れるような取り組みも必要だと思います。似たような加算はありますが、もっとやりやすいような要件にすべきだとは思います。
なんてなんて・・・チョイ制度に愚痴でしたが、制度が正しいわけではありません。国は柔軟には対応しません。というより出来ないと言った方が正しいです。なぜなら制度は不特定多数の多くの人を動かさないといけないからです。だからこそ、制度とニーズはマッチングしない面がでてきます。
なので民間企業の社会福祉法人が地域に合った個別のニーズを把握し、時には市や県、国の意見と対立してでもそのニーズに答えていく必要があると私自身は確信していますさね(/・ω・)/出来るかどうかは置いといてください(;´・ω・)。